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  公式動画&関連する動画 [印中貿易の次の展開は?]

アジア担当チーフ・エコノミストのチェタン・アハヤが、変化し続けるインドと中国の貿易関係が、世界のサプライチェーンの見直しや新たな投資機会の発見につながる可能性についてお話します。 このエピソードを英語で聴く。 (https://mgstnly.lnk.to/XUSuKrRS) トランスクリプト  「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。 今回はアジア担当チーフ・エコノミストのチェタン・アハヤが、現代の最も重要な経済関係の一つであるインドと中国の関係、そして両国関係がこの先どうなるのかについて解説します。 このエピソードは9月11日 に香港にて収録されたものです。 英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。 インドと中国の貿易ダイナミクスは急速に変化しています。このダイナミクスは両国自身の将来を方向付けているだけではありません。世界のサプライチェーンや投資の流れに影響を及ぼしています。 インドの対中貿易は過去10年間で2倍近くに拡大しています。インドにとって中国は最大の貿易赤字国であり、対中貿易赤字は現在1,200億ドルに達しています。一方、中国のインドに対する貿易黒字は、全てのアジア諸国の中でも最大級の規模に膨らんでいます。 経済的必要性ゆえにこうした両国の貿易関係はいっそう深まるでしょう。インドは技術的な専門知識や資本財、重要な構成品目の支援が必要です。中国は、新興国で2番目の経済規模と成長率を誇るインドにおける成長機会をうまく活用する必要があります。これらの問題について順番に考察してみましょう。 インドは世界のバリューチェーンの一角に入り込む必要があります。そしてそのためには、中国からの直接投資が必要です。まさに中国が米国、欧州、日本、韓国からの直接投資によって技術や専門知識を取得し、経済大国にのし上がったのと同じような構図です。インドにとって、中国の対外直接投資の規制緩和はゲームチェンジャーになり、技術的なノウハウの移転や製造業の競争力強化につながる可能性があります。 現在、中国は世界最大の製造業国です。世界のバリューチェーンの40%以上を占めており、これは米国の13%やインドのわずか4%を大幅に上回る規模です。世界の財の貿易は徐々に、半導体や電気自動車、電気自動車用バッテリー、ソーラーパネルなど、バリューチェーンの上流の製品が中心になってきています。そして中国は8つの主要製造業セクターのうち6つのセクターで世界1位の輸出国です。簡潔に言えば、世界のバリューチェーンへの関与を高めたい国はみな、中国との貿易を増やさなければならないでしょう。 インドにとってこれは、資本財や自国の産業化に必要とされる重要な構成品目に対する需要が増える中、需要を満たすには中国からの輸入に頼らなければならないことを意味します。実際、こうしたことはすでに起きています。インドの中国および香港からの輸入の半分以上が資本財、すなわち、製造業やインフラ投資に必要な機械設備です。このほか輸入の3分の1を工業製品が占めており、インドが重要な構成品目の供給元として中国に依存していることが分かります。 中国の観点からすると、インドは2番目に大きく、最も成長率の高い新興国市場です。米中貿易問題が続く中、中国は輸出市場の多様化を進めており、インドは大きな機会を見込める市場です。中国企業がこの成長機会を捉える一つの方法は、インドに投資して国内市場の需要に応えることです。中国の携帯電話会社はすでにこれを実行しており、これが他のセクターにも広がるかどうかはインドの市場開放次第となるでしょう。 要するに、インドは製造業や技術における中国の強みをうまく活用できる一方で、中国は輸出先や投資先としてインドの巨大な市場を利用することができるのです。 しかし、気を付けなければならないのは地政学的要因です。経済的必要性から貿易や投資の関係は深まると考えられますが、政治情勢によって進ちょくが遅くなる可能性があります。投資家はこの点を注意深く見守る必要があります。重要な進展についてはわれわれが常に最新の情報をお知らせします。 最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。
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