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公式動画&関連する動画 [AIインフラ関連株急落の盲点]
最近のAIインフラ関連株急落がファンダメンタルズ悪化ではなく、テクニカル要因によって引き起こされた可能性について、弊社のテーマ別リサーチおよびサステナビリティリサーチ・グローバル責任者であるスティーブン・バードが解説します。
このエピソードを英語で聴く。 (https://mgstnly.lnk.to/ckrDqMRS)
トランスクリプト
市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
本日は、投資家がAIインフラ関連株の急落を読み違えている可能性について、弊社テーマ別リサーチおよびサステナビリティリサーチ・グローバル責任者であるスティーブン・バードがお話しします。
このエピソードは7月30日にニューヨークにて収録されたものです。
英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。
最近のAIインフラ関連株急落を受け、「投資が実需を先行し過ぎているのでは?」といういつもながらの疑問が浮上しています。実際、市場は下落していますが、これは投資家による利益確定売り、ポジションの偏り、強制的な売却を反映したもので、ファンダメンタルズ悪化が主因ではないと私たちは考えます。今回の急落では3つの懸念が注目されましたが、これらに対する市場の反応は過剰と考えます。
1つ目の懸念は、企業がAIにどれほどの対価を支払う意思があるのかという問題です。現在、企業の従業員1人当たりのトークン支出、つまりAIモデルがリクエストを処理して回答を生成する際に支払われる費用は、中央値で月11ドル未満にとどまっています。
この支出は今後増える余地があると私たちは考えます。雇用主側からすると、経済的な魅力が非常に大きいからです。例えば、職場で使われるアプリケーション全体で見ると、タスク実行コストは2~5ドルになる可能性もあり、その場合、企業は55ドルの節約が可能になります。これからすると、企業のAI支出は今後、減少ではなく、増加する可能性の方が高いと私たちは考えます。
2つ目の懸念は、競争力に優れた中国のモデルを含む、効率性の高いモデルの普及を巡るものです。これは米中双方の政策レスポンスの影響を受ける問題でもありますが、一部の投資家はモデルの効率が高まれば計算需要が減る可能性を懸念しています。しかし、ジェボンズのパラドックスの典型例、つまりあるモノの利用コストが下がる、あるいは効率が高まれば、人々はそれをより多く使うようになるという流れ、を予測する私たちの見方は逆です。AIの場合、利用コスト低下がより多くのユーザーを惹き付け、利用頻度が高まれば、複雑なアプリケーションの経済性はより向上すると考えているからです。
需要拡大の規模は目を見張るもので、業界大手の見積によると、計算需要は6ヵ月ごとに倍増する可能性があります。これは、計算需要が5年間で1,000倍超に拡大することを意味します。こうした中、ハイパースケーラーの稼働IT負荷容量は、2028年までに2025年の約30ギガワットから約120ギガワットへと4倍増する可能性があります。
そして、これが3つ目の懸念です。データセンターは拡大し続けるための十分な電力を確保できるのかという、至極真っ当な問題です。米国のデータセンターは、建設中の施設と契約済みの送電網容量を合わせて約30ギガワットの電力を確保していますが、これは2026年から2028年にかけて必要とされる推定68ギガワットの半分にも満たない電力です。地域によっては送電網への接続に5~7年かかることもあり、熟練した電気技師、溶接工、配管工も不足しています。また、電気料金、税制優遇措置、送電網の更新費用の負担主体を巡る議論が地域社会で高まる中、地元の反対も強まっています。
こうした問題はAIインフラにとって大きな障害ではありますが、行き詰まりではなく、拡大を遅らせる要因の一つに過ぎないと私たちは見ています。オンサイト発電、燃料電池、エネルギー貯蔵、天然ガスタービン、既存の大電力施設の転用などにより、需給ギャップの一部を埋めることは可能と考えます。
最近のAIインフラ関連株の弱さを引き起こした主因は、ファンダメンタルズ悪化ではなく、テクニカル要因だと私たちは考えています。ゆえにAIの能力が高まり、利用コストが下がるに連れ、情報、計算能力、電力への需要は今後も増加し続けるでしょう。米中の政策判断が成長の行方を左右する中、世界市場は分断されていますが、経済性の著しい向上が継続的な投資を支え続けると考えます。
最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。
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