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  公式動画&関連する動画 [主権としてのAI]

各国政府が自国のテクノロジーの将来を確保しようと競うなか、AIは戦略的な政策優先課題となっています。弊社米国公共政策リサーチ責任者のアリアナ・サルバトーレが、この変化を促している要因と市場への示唆について解説します。 このエピソードを英語で聴く。 (https://mgstnly.lnk.to/XPJLiDRS) トランスクリプト  「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。 本日のエピソードでは、弊社米国公共政策リサーチ責任者のアリアナ・サルバトーレが、世界各国で主権AIが政策上の優先課題になりつつある理由についてお話しします。 このエピソードは7月15日にニューヨークにて収録されたものです。 英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。 AI規制を巡る議論は、以前は半導体に焦点が当たっていました。結局のところ、大規模なAIモデルを学習させるには、最先端の半導体が欠かせないからです。しかし、この1年で議論はその狭い焦点を大きく超えて広がりました。政策面での議論は、例えばどの先端半導体を中国に販売できるのか、といった論点にとどまらなくなっています。 今、より大きな問いとなっているのは、AIスタック全体、つまり半導体、クラウドインフラ、フロンティアモデル、データセンター、サイバーセキュリティ基準、そしてそれらすべてを支えるエネルギーシステムを誰が管理するのか、という点です。 弊社が主権AIという言葉で意味しているのは、まさにそのことです。最もシンプルに言えば、主権AIとは、自国のインフラ、データ、人材、テクノロジーのエコシステムを使って、人工知能を開発し、活用する国の能力を指します。ただし主権AIは、外国のプラットフォームや外国が管理するサプライチェーンへの戦略的依存を減らすことでもあります。 これは、弊社が2018年当時から取り上げてきた多極化への流れとも重なります。世界各国は、経済効率よりも国家安全保障を優先するようになっています。弊社では、このテーマがAIにも当てはまるとみています。 では、これは市場にとって何を意味するのでしょうか。 第一に、主権AIは、AIインフラを国家の産業政策の問題に変えます。データセンター、電力の供給力、送電網の信頼性は、戦略的資産になりつつある構成要素のほんの一例です。つまり、AI構築のいくつかの側面を決める上で、政府がより大きな役割を担う可能性が高いということです。どこに構築するのか。誰が資金を出すのか。そして、どの国がスタックの最先端部分にアクセスできるのか、という点です。 第二に、主権AIは、デリスキングと、より分断された国際秩序への移行を強めます。米国は、米国のAIテクノロジースタックを同盟国やパートナー国に輸出することを促進しようとしています。同時に、最もリスクの高い能力については、国家安全保障上のガードレールを維持しています。一方、中国は、半導体からクラウド、モデルの実装に至るまで、できる限り多くのテクノロジーを国産化しようとしていると弊社ではみています。その他の国々は、この二つの間で舵取りをしています。 第三に、そして重要な点として、主権AIはエネルギーの問題でもあります。誰がAIを構築し、その恩恵を受けられるのかは、低コストで信頼性の高い電力にアクセスできるかどうかに、ますます左右されるようになっています。そのため、エネルギーの供給力は競争優位となります。同時に、エネルギー価格の手頃さは政治的な制約にもなります。 これは、今年に向けた弊社のテーマ別予測の一つである、エネルギーの政治性という論点と重なります。電力コストの上昇は、より目に見える政治問題になると弊社ではみています。その結果、データセンター開発に対する反発が生じています。新規プロジェクトに対する地元の反対は強まっており、既存の料金負担者がAI主導の送電網投資を補助することのないようにすべきだという圧力も、政策担当者や公益事業者に対して強まっています。 弊社では、これによってAIインフラは、いくつかの方向に進む可能性があると考えています。一つは、条件付きの整備です。この場合、家計や小規模企業を保護するために、大口需要家向け料金やその他の費用配分メカニズムといった相殺措置が設計されます。 もう一つの方向は、たとえ排出削減目標との間に緊張を生む可能性があるとしても、最も低コストのエネルギー源を政策的に支援することです。そして三つ目は、送電網に依存しない、あるいは需要家側で電力を確保するソリューションが増えることです。これには、燃料電池や蓄電、その他の電力確保までの時間を短縮する戦略などが含まれます。そうすることで、データセンター開発業者は、地域の電力料金の手頃さに対する懸念を強めることなく、電力を確保できるようになります。 主権AIの追求には、インフレへの影響を巡る多くの問いが伴います。計算能力と電力はいずれも制約があり、規制の先行きは依然として不透明です。また、政府が国家安全保障上の優位性があるとみなせば、技術移転などに対する制限がさらに強まる可能性もあります。したがって、各国が依存を減らそうとするほど、そこに到達するためのコストは高くなるかもしれません。ただし、こうした環境で恩恵を受けられる企業もあります。 ただし、政策リスクもあります。政策環境は、より後追い的なものになっています。一部の分野では選択的なアクセスが認められる一方、別の分野では規制が強まり、米国政府が先端半導体、クラウドインフラ、フロンティアモデルの実装をどのように扱うかを巡る不確実性は続いています。この不確実性が重要なのは、企業の計画、国境を越えた投資、そしてグローバルなAI連携の形に影響するからです。 では、これは投資家にとって何を意味するのでしょうか。 各国政府はますます、AI能力を経済力と地政学的な影響力の源泉とみなすようになっています。つまり、AI競争は、誰が最も優れたモデルを構築するのかという問いから、そのモデルを大規模に展開できるようにするインフラ、基準、サプライチェーン、エネルギーシステムを誰が管理するのかという問いへと移りつつあるということです。 弊社の見方では、これは主権AIが、AI構築の次の段階において注目すべき最も重要なテーマの一つであることを意味します。 そして弊社では、近くこのテーマを再び取り上げる予定です。今後数週間のうちに、Stephen Byrdと私が、主権AIについてさらに詳しくお話しします。特に、電力需要、データセンター投資、エネルギー価格の手頃さ、そしてAI導入の次の段階を支えるために必要な、より広範なインフラにとって何を意味するのかに焦点を当てます。 最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。
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