公式動画ピックアップ
AAPL
ADBE
ADSK
AIG
AMGN
AMZN
BABA
BAC
BL
BOX
C
CHGG
CLDR
COKE
COUP
CRM
CROX
DDOG
DELL
DIS
DOCU
DOMO
ESTC
F
FIVN
GILD
GRUB
GS
GSK
H
HD
HON
HPE
HSBC
IBM
INST
INTC
INTU
IRBT
JCOM
JNJ
JPM
LLY
LMT
M
MA
MCD
MDB
MGM
MMM
MSFT
MSI
NCR
NEM
NEWR
NFLX
NKE
NOW
NTNX
NVDA
NYT
OKTA
ORCL
PD
PG
PLAN
PS
RHT
RNG
SAP
SBUX
SHOP
SMAR
SPLK
SQ
TDOC
TEAM
TSLA
TWOU
TWTR
TXN
UA
UAL
UL
UTX
V
VEEV
VZ
WDAY
WFC
WK
WMT
WORK
YELP
ZEN
ZM
ZS
ZUO
公式動画&関連する動画 [再び重要になるクオリティ]
株式市場がモメンタム中心のサイクル初期の相場から、比較的規律のある企業が主役になるサイクル中期の相場に移行する局面では、投資家はクオリティの高い銘柄を選好すべきだ――そう考えられる理由を弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンがご説明します。
このエピソードを英語で聴く。 (https://www.youtube.com/watch?v=AsLq14kTR80&list=PLMUnYeeTvzNsu5Z2B17k_VlzOPnB45A1n&index=2)
トランスクリプト
「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
本日は弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、景気回復のサイクルが初期から中期に移行中であることについてお話しします。
このエピソードは8月3日にニューヨークにて収録されたものです。
英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。
ここ数週間、私がポッドキャストでお話ししたことの続きになりますが、ここで改めて、景気と市場がサイクルの初期から中期に移行しつつあるという重要な指摘を繰り返したいと思います。このように言うとストラテジストがよく使う言い回しのように聞こえるかもしれません。しかしこの指摘は、相場の主役、ポジションの取り方、そして今の強気相場の次の局面についてどう考えるべきかという3つの点に、非常にリアルに関わってきます。
ここ1年間の大半は、サイクル初期ならではの特徴や行動が報われる相場でした。具体的には、クオリティが比較的低くてベータの高い銘柄、そして利益が激増する業績見通し修正が相場を先導しました。これは理にかなったことでした。米国はローリング・リセッションを抜け出しつつありましたし、営業レバレッジが急速に改善したり、落ち込んでいた業績見通し修正が急激に改善したりしていたからです。しかし、景気のサイクルが成熟するにつれ、市場の目も肥えてくるのが普通です。そして、市場は難しい問いを投げかけます。成長するだけでは物足りない、安定した利益と大きな利益率、そしてフリーキャッシュフローの創出を維持しながら成長を維持できる企業はどれだ、と問い始めるのです。
言い換えれば、クオリティというファクターが再び重要になり始めるのです。
私たちは今、まさにその状況に置かれています。クオリティ株へのローテーションが始まったのです。以前相場をけん引した銘柄が、そのあおりを受ける場合もあるでしょう。しかし、たとえそうであっても、株式市場全体が弱気になっていく兆しであるとは私は思いません。S&P500 種株価指数は、非常にクオリティの高い大型株で構成されています。したがって、当面は株式市場の値固めが続くかもしれませんが、最終的にはクオリティ株へのローテーションが指数を下支えするでしょう。そしてこのローテーションは、S&P500 指数が8000という、弊社設定の年末の目標値に向けて上昇するのを後押しすると思われます。
先週の株式市場では、モメンタム株のポジションの巻き戻しが歴史的な規模で行われ、相場が急落しました。モメンタム株は大きく売られ、半導体株がその中心でした。弊社の発する情報をここ数ヵ月間フォローしてくださっているみな様にとっては、特に意外なことではないはずです。弊社では半導体株について考える際、銀関連株とのアナロジー分析という分析手法を用いていますが、実はこの手法が示唆したほぼその通りのところで、半導体株指数は底を打ちました。
このことは、半導体株が今後数週間のうちに反発し、売買のチャンスが生まれる可能性があることを示しています。しかし、それ以上に重要なのは、半導体株は年末にかけて相場の主役の座を取り戻すのに苦労するかもしれないということです。半導体株はサイクルの初期に活発に売買される銘柄の典型ですが、相場はクオリティ株主導のサイクル中期の相場にますます変わってきています。銀関連株とのアナロジー分析も同じ結論を支持するでしょう。
AIサイクルは終わっていないが、最も活発に売買されているAI関連株で手っ取り早く稼げる局面は終わったかもしれない――挑発的な言い方をするなら、そのようになるでしょう。AI投資サイクルにはまだかなり先がありますが、AI投資関連株なら何でも報われるという相場にはもうなっていません。今では投下資本利益率、導入、収益化、業務上の規律といった裏付けが求められています。先週見られたマイクロソフトとメタの株価パフォーマンスの違いがその良い例です。何の理由もないのにあれほどの差がついたわけではありません。あれは、設備投資に規律がはたらいているか否かが問われた結果です。市場は今、比較的慎重な投資に報いるようになっています。私が数ヵ月前から見てきたとおり、これからは設備投資の恩恵を受ける銘柄に、本物の下落圧力がかかってくるかもしれません。
私が今でも半導体株よりハイパースケーラーのほうを選好しているのはそのためです。なお、これには重要な但し書きがひとつ付きます。ハイパースケーラーの間で差が広がっているのです。ハイパースケーラー全体は、ここ4週間で半導体株をすでに30%アウトパフォームしています。私は、この展開がさらに数ヵ月間続く可能性があると考えています。中核事業が底堅く、AIのアプリケーション層にもエクスポージャーを有しているうえ、必要ならAIを活用して営業費用を削減できる力があることも過小評価されているからです。また、AIインフラやサービスを支える側であると同時に、自ら積極的にAIを活用していく企業群でもあります。しかし市場はもう、すべてのハイパースケーラーを同じように扱うことはしないでしょう。投資でリターンを計上し、規律ある設備投資であることを説明でき、かつ利益の質を維持できる企業が勝者になるでしょう。
AI導入が非常に重要になってきているのは、そのためでもあります。相場の次の局面で重視されるのは、どの企業がインフラを構築するかということだけではありません。どの企業がAIをより効果的に使えるかどうかもポイントになります。弊社のリサーチによれば、AIが投資理由の重要な要素で、価格決定力も「中立」から「強い」のレベルにある企業では、予想利益率がすでに改善しつつあります。このグループの相対的な純利益率はわずか3ヵ月で50ポイント拡大しており、今では市場全体の水準を400ポイント近く上回っています。誇大宣伝ではありません。例の営業レバレッジが新たな原動力を得て効いているのです。
このパズルにはもうひとつ、FRBという大きなピースがあります。ウォーシュ議長は先週、金利の据え置きを決めましたが、自身の反応関数については口を閉ざしたままです。FRBはフォワード・ガイダンスへの依存度を減らしてフィルターのかかっていない市場のシグナルへの依存度を引き上げたがっており、市場はまだそれに合わせようとしているところです。私はこれを、長期的には健全な展開だと思っていますが、移行がスムーズに進むことはめったにありません。この根固めが調整局面に転じてしまう最大のリスクは、10年物米国債の利回りが5%を超えるかどうかです。5%を超えれば株価倍率の重しになりかねません。それにFRBも、市場にガイダンスを行う以前のやり方に戻るか、安定している金利市場への流動性供給を増やすかのどちらかを強いられる恐れがあります。
まとめましょう。株式の強気相場はまだ終わっていませんが、様子が変わりつつあります。現在の景気回復が初期から中期のサイクルに移行するにつれ、株式市場ではクオリティの高い銘柄が求められるようになっています。半導体株が反発する可能性はあるものの、相場の主役には戻りそうにありません。その一方で、ハイパースケーラーは比較的高い株価パフォーマンスを見せ続ける可能性が大きいでしょう。そのなかで最も高いパフォーマンスをあげるのは、設備投資に比較的慎重な姿勢を示す企業でしょう。そしてそれ以上に重要なのは、AIの導入が約束から計測可能な利益率拡大要因に変わりつつあることです。こうしたことから今回のサイクル中期は、あまり寛大でなく、銘柄を選別する姿勢が厳しい相場だが、ローテーションに逆らわず追随する投資家にとってはまだ先行きが明るい、というものであるように思われます。
最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。
140